着火方法
ここからは、先程組み立たロケットストーブの火入れについてお話していきます。
ロケットストーブの着火は、焚口にダンボールの切れ端とホームセンターで買ってきた木材の端材を投入し、ライターで火をつけるだけです。
着火から30秒もすると、ゴォーという音を立てながら炎が焚口の奥側に吸い込まれ始めます。
1分もすればダンボールは燃え尽きますので、後は木材を投入していくだけで、燃焼を継続することができます。
着火から1分もすれば、燃焼筒の中で炎が渦巻きながら勢い良く燃焼し始め、煙も無色透明になります。
この辺りは、さすがペール缶ロケットストーブという感じで、他のレンガロケットストーブなどは煙が無色透明になるまで結構な時間がかかったのと比べて、このロケットストーブは着火直後からすぐに煙が無色透明で燃焼がとても安定してるなぁと思いました。
燃焼中に色々調べてわかったことといえば、ペール缶ロケットストーブの焚口はステンレス煙突のT曲が真っ赤になるほど高温になりますが、ペール缶部はそれほど高温にならない(100度以下)ということ。
火傷の危険がないとはいえませんが、一般的な薪ストーブは本体温度が数百℃になるのと比べると本体温度は低いといえるでしょう。
ただし、本体温度が低いため、ロケットストーブの近くにいても暖かさが感じられず、屋外暖房としては使えないなぁという印象です。
ペール缶ロケットストーブの湯沸かし実験
ここからは、このペール缶ロケットストーブを使った湯沸かし実験についてお話していきます。
1Lの水を鍋に入れ、火入れ後のロケットストーブの上にセットし、何分でお湯が沸くのか検証します。
開始から5分後
湯沸かしを始めてから5分が経ちました。
この時点では、まだ湯気が少ししか出てきていない状態です。
開始から10分後
湯沸かし開始から10分が経過しました。
鍋の中で小さな気泡ができ始め、湯気も目に見えるぐらいのレベルになってきました。
開始から15分後
湯沸かし開始から15分が経過したころから、ほぼほぼ沸騰は完了(約90℃ぐらい)になりました。
ただ、そこからしばらく舞ってみたのですが、ブクブクと大きな泡が出るような強い沸騰は得られませんでした。
以前、ひだるまくんで湯沸かし実験をした時は、約6分ほどで強い沸騰まで得られたことと比較すると、「ペール缶ロケットストーブってこんなに火力がないの?」という感じです。
どうしてこんなに火力がないのかなぁと思って、火だるまくんを引っ張り出してきて、もう一度ひだるまくんで水を沸騰させてみましたが、こちらはやはり5~6分ほどでブクブクと水を沸騰させることができました。
どうしてこんなにも湯沸かしにかかる時間が違うのか色々と調べてみたところ、ペール缶ロケットストーブは煙突上部で炎がチラチラ出るぐらいなのに対して、ひだるまくんは煙突上部で常に炎が出ているということに気が付きました。
湯沸かしに関しては、鍋の底の温度が高い(炎が直接鍋の底に当たる)方が良いため、ペール缶ロケットストーブより、高さの低いひだるまくんの方が能力が高いという結果になりました。
ただ、ひだるまくんは鍋をセットすると多少黒っぽい煙が出たりしていましたが、ペール缶ロケットストーブは常に無色透明の煙という感じで、燃焼そのものについては、ペール缶ロケットストーブの方が良さそうだということは明らかです。
ちなみに、ひだるまくんは燃焼を継続できる時間が1~2時間程度(灰が詰まってしまうため)なのに対し、ペール缶ロケットストーブは約1日程度はずっと火を炊き続けることができます。
ですので、ペール缶ロケットストーブは炊き出し(災害時)など、大きな鍋で調理するような長時間炎を維持する必要がある時に活躍するものなのだろうということがわかりました。
また、ペール缶ロケットストーブは燃焼状態が良く、排気力も強いため、ヒートライザーを抜けた後の熱を煙突や土で作ったベンチなどで暖房用の熱として利用するという用途にもうまく使えそうです。
ただ、焚口や燃焼室、ヒートライザー部がステンレス煙突で構成されているため、その辺りをどう改良していくかが課題でしょう。
最後に一言
今回は、ペール缶ロケットストーブの作り方と使い勝手を徹底検証についてお話しました。
このロケットストーブは、誰が作ってもゴーッと音を立たせて木を勢い良く燃やせるという点において、初心者におすすめの薪ストーブだと思います。
これからロケットストーブについて学んでいきたいという人は、これを作って勉強してみるといいでしょう。
ただ、キャンプでの調理やちょっとした湯沸かしであれば、ひだるまくんといった背の低いタイプのロケットストーブのほうが素早く調理できたりします。
こんな感じで薪ストーブの体験といろいろな気づきや考えるきっかけを与えてくれるのがペール缶ロケットストーブだと思います。
是非一度体験してみてくださいね。
それでは!