よくあるお問合せ内容
よくあるお問い合わせ内容についてまとめました。
お問合せの前に、一度ご確認ください。
灰がバーントンネルを塞ぎませんか?
先日、このような質問をいただきました。
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こんばんわ。いつも参考にさせていただいています。
ロケットストーブマニアさんのストーブを参考にして作成しました。1日中ストーブを稼働し続けると、灰がバーントンネルをふさいでしまって、空気の吸い込みが弱くなったり、まったく吸い込まなくなったりしませんか?
我が家は灰がトンネルをふさぐほどたまってそれが原因で火災になってしまうのを恐れ、1日2回ほど灰を掻き出しています。
燃やす木の種類によるかもしれませんが、ロケットストーブマニアさんのストーブはそのような心配はありませんか?
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質問いただいたとおり、一日中ストーブを稼動し続けるなど長時間の連続運転をしていると、灰が燃焼室からヒートライザー部までの煙道を塞いでしまうことがあります。
もちろん、そのような状況でロケットストーブに薪を入れ続けてしまうと、煙が焚口から逆流してしまうことも十分ありえます。
このような状況を回避する手段は、①より密度の大きな薪を使用する、または②ロケットストーブの燃焼部の内径を拡大することです。
①の密度の大きな薪(見た目より重たく感じるような薪、より成長の遅い広葉樹など)を使用すると、燃焼後の灰の密度も大きなものとなる(体積が小さくなるなる)ため、灰が煙道を塞ぐまでの時間を伸ばすことができます。
次に、②のロケットストーブの燃焼室の内径を大きくするということについては、もうお分かりの通り、燃焼室の内径が大きければ灰が煙道を塞ぐまでの時間を長くすることができるということです。
私の場合、ロケットストーブの燃焼室(ヒートライザー手前までの部分)に使ったステンレス管がボロボロになった後に耐火モルタルで燃焼室内部を補修したのですが、その際に燃焼室を少し広めとなるように加工しました。
ロケットストーブを日常生活でフル活用することを考えると、灰の掻き出しは1日に1回より多くなってしまうと、燃焼室や灰が熱い状態で取り出さなければならなくなりとても大変になってしまいますので、上記の内容などを参考にしてみるといいかもしれませんね。
ロケットストーブの『わんこ』 という商品は煙突部分の吹き出し口の火力が強いんですが何故です か?
先日、このような質問をいただきました。
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『わんこ』というロケットストーブ(下記、商品)
わかりますでしょうか?教えていただければありがたいです。
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この焚口より煙突部分の方が火力が強いのはなぜかということを知るためには、薪がロケットストーブ内部でどのように燃焼しているかとうことを理解することが大切です。
出典)月刊 現代農業2013年12月号
ロケットストーブの焚口に入れられた薪は、燃焼中の炎や炉内の壁などから熱を受け取り過熱されることにより、木炭ガスを発生します。
その薪から発生した高温の木炭ガスが炉内である一定割合の酸素と混合することによって、炎が発生します。
この段階での燃焼を一次燃焼といい、実際のところ、発生した木炭ガスの一部が炉内で燃焼し、酸素が足らなかったり、熱が足りなかったりして燃えることが出来なかった燃焼ガスはそのまま煙突部(ヒートライザー部)に流れていってしまいます。
ですが、ロケットストーブの場合、構造上、垂直に立ち上がっているヒートライザーと呼ばれる煙突(本来であれば断熱されているもの)内部で渦が発生していて、ここでもう一度先ほどの未燃焼ガスと酸素が混合され、二次燃焼が発生します。
つまり、焚口部では一次燃焼で得られた熱しかないのに対し、煙突部では一次燃焼+二次燃焼の二段階で得られた熱が活用できますので、煙突部のほうがたくさんの熱を活用することができるということになります。
また、焚口部の火力をアップさせたいということについてはなかなか難しいのではないかと思います。
ロケットストーブの場合、高温の空気は煙突側に引き込まれていきますので、焚口部で得られる熱は燃焼している炎から得られる輻射熱(放射熱ともいう、空気が熱いから温まるのではなく、空気を媒介せずに伝わってくる熱、薪ストーブがじんわり暖かいと感じるもの)の分しか得られないと思いますので。
ロケットストーブをコンロとして活用する場合、単純に背が低いタイプ(煙突上の調理部の位置が低いタイプ、ヒートライザーが短くなるのでしっかり断熱されているもの)の方が使いやすいのかなぁと思います。
完全燃焼に近い形でロケットストーブを運用するために、どのような工夫が必要なのか?
先日、このような質問をいただきました。
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茶筒サイズからペール缶サイズまでパーライト断熱方式も活用して
14台のロケストを昨冬に試作を繰り返した経験があります。
排気から煙が出る、薪の燃焼の匂いがする、のは完全に燃焼していない証拠だとか、
完全燃焼でないと、煙突火災の原因になる
ススやタールの除去作業が欠かせない。、
薪の消費が抑えられない、木酢の発生で煙突の腐食、消耗が早くなると言った
事が起きています。
①完全乾燥薪の用意、入手には時間と費用がかかる。
自分で切り出し積み込み乾燥には1冬、軽トラ2台分、重労働。
ホムセンで買うと1束500円前後と灯油代よりかなり高い。
②断熱、保温の徹底とはどの程度なんでしょうか?
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まず、①の乾燥した薪を用意するには時間と費用がかかると言う点についてですが、まさにおっしゃる通りだと思います。
ホームセンターなどで売られている薪はしっかりと乾燥されたものが販売されていますので、そのような薪を使用すれば、比較的簡単に良い燃焼が得られるでしょう。
というのも、ロケットストーブで燃焼を良くする(高温で燃やし、ヒートライザー内で二次燃焼を引き起こす)為には、ロケットストーブの構造(断熱、ヒートライザーの高さなど)と同じぐらい、薪の乾燥状態が燃焼に影響を与えるからです。
私の場合、暖房費を節約するためにロケットストーブを作ったので、その燃料に高価な市販品を使うということはできません。
ということは、「費用」を節約するために、「時間(労力)」をかけて自分で薪を集め、良い燃焼が得られるまで乾燥させる工夫をしています。
薪の乾燥方法については、こちらのサイトが参考になると思います。
薪作りは薪ストーブユーザーにとって欠かす事の出来ない冬の準備ですが、未乾燥薪を燃やす事は不完全燃焼を起こし、環境悪化を招くばかりか、煙突火災の危険性も増し、最悪の結果を招き兼ねません。ではどの様にすれば良い薪作りが出来るのでしょうか?一般的には2年の歳月が必要と云われていますが、2年分の薪を常に確保する事は、都市に住む薪ストーブユーザーにとっては困難な事が多いのではないでしょうか?短時間で乾燥させる事は無理なのでしょうか?そして一般的に乾燥木材と言われている含水率15%~20%の薪は本当に薪として相応しいのでしょうか? 答えはイエスでもあり、ノーでもあります。
ちなみに、私の場合、海外のロケットストーブユーザーが行っているように、ロケットストーブ本体の近くに2~3日分の薪を置いておき、ロケットストーブから発せられる放射熱を利用して、薪の仕上げ乾燥をしています。
実際に電子はかりなどを使って薪の重量を測定してみるとよく分かりますが、この方法を使えば薪の水分を効率よく飛ばすことが出来ます。
次に質問の②の断熱保温構造についてですが、これは例えば耐熱セメントなどを使って燃焼室やヒートライザーを構成したのであれば、それで十分なレベルの断熱構造が得られていると考えればいいと思います。
上手く機能しない例としては、例えば、ステンレス煙突をむき出しの状態で燃焼室やヒートライザーを構成したりすると、なかなか二次燃焼まで至らず、火力を上げないと(薪をどんどん入れていかないと)上手く燃焼が続かないため、薪の消費量が増えてしまうなどということになると思います。
ですので、ロケットストーブを作る場合は、燃焼室やヒートライザーを耐熱セメントやレンガなどで構成するか、ステンレス煙突を使う場合はパーライトなどで燃焼室の排気側だけではなく吸気側もすべてを覆う工夫が必要だと思います。
なお、質問の中にあったその他の症状については、私は以下のように理解しています。
- 排気から煙が出る
真冬にロケットストーブを焚いていると、ある程度燃焼の程度がよくても白い湯気が出てしまいます。ロケットストーブの場合は、排気温度が極めて低くなるため、煙突から出ているのが白煙(燃焼があまりうまくいっていない証拠)なのか、単なる湯気なのか確認する必要があるでしょう。ちなみに、一般的な薪ストーブの場合は煙突出口の排気温度が相当高いため、湯気が見えることはあまりなく、白い煙が見えたのならそれは白煙だと思います。 - 薪の燃焼の匂いがする
ロケットストーブの場合、かなり良い燃焼をさせていても二次燃焼までしか発生せず(完全燃焼に近づきはするが完全に燃焼するというのは不可能)、また触媒なども付いていないため、多少のにおいも出てしまいます。ロケットストーブと言うと、排気ガスは「無煙無臭」というイメージが有りますが、実際はご自身で経験された通りだと思ってもらえればいいでしょう。 - 完全燃焼でないと、煙突火災の原因になる、ススやタールの除去作業が欠かせない
湿った薪などを使い続けてしまうと、ロケットストーブの炉の温度がなかなか上がらず、その結果二次燃焼も起こらない状態になってしまいます。すると、燃焼できなかったガスが煙突内に溜まってしまい、煙道火災の発生のリスクが高まります。ただし、ロケットストーブの着火直後などは、どうしても炉内の温度が低いため、乾燥した薪を使用したとしても、少量の未燃焼ガスは煙道内に流れていってしまいます。ですので、「ロケットストーブは煙道火災にならない」ではなく、「煙道火災になりにくい」という認識のもと、適切なタイミングで煙突掃除をしなければなりません。たまに煙突を覗いてみて、ススの状態を確認(さらさらのススならOK、ベタベタしたタールが付いていたら要注意)したり、実際に煙突の中に溜まったススを取り出して、それに火をつけて燃えるかどうか確認してみると良いでしょう。 - 薪の消費が抑えられない
先ほども説明したとおり、ロケットストーブの断熱が甘い場合、燃焼温度を高めるために薪をどんどん追加しないと上手く燃焼を継続することが出来なくなります。少量の薪でも高温の燃焼が継続できるよう、燃焼室周りやヒートライザー部をしっかりと断熱してみてはいかがでしょうか?それが出来たら、燃焼室に吸い込まれる空気の量を絞るなどすれば、薪の消費量をある程度のレベルまで抑えることができると思います。 - 木酢の発生で煙突の腐食、消耗が早くなる
ロケットストーブで使用する薪にはどうしても多少の水分が含まれていますし、ロケットストーブのように、積極的に熱を室内に排気する構造のために排気温度が極端に低くなるので、木酢液の発生は避けては通れないものだと思います。木酢液を発生させないためには、水分が煙突の内側に結露しないような高い排気温度を維持する必要が有り、それだと普通の薪ストーブと同じぐらいの熱効率しかえられないですし、排気温度を高く保つために高価な二重煙突を導入する必要があるでしょう。木酢液の発生はロケットストーブの構造上、どうしても発生してしまうものなので、どうやってそれを上手く集めるかということを考えた方がよさそうですね。
質問していただいたことに上手く答えられているか分かりませんが、これからロケットストーブライフをより良いものにするために、あくまで参考程度にしていただければと思います。
U字溝を接着するセメントの強度はどの程度あるのでしょうか?
先日、このような質問をいただきました。
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本題の聞かせてほしい事はU字溝同士の接着に使うセメントの接着
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セメントは比較的強度がある接着剤(?)ですが、逆に衝撃には弱いと考えてもらうと良いでしょう。
しっかりと接着乾燥させた後、本体を横に寝かせたりするというケースを考えると、ゆっくりと衝撃が加わらないようにすれば大丈夫かもしれません。
どうしてもその点が気になるようでしたら、一度どの程度の接着力があるか実験してみるといいでしょう。
実験せずに大失敗する前に、実験して小さな失敗を積み重ねていった方が、最終的に費やすお金も、災害に発展するリスクも小さくすることができます。
何事も思いついたら実験をしてみて、現実に起こる現象を理解し、その現象が引き起こすリスクもう踏まえて自己判断していく癖を身に付けていくと良いと思います。
煙突の径を大きくしようと考えているのですが、うまく機能するでしょうか?
先日、このような質問をいただきました。
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初めてロケットストーブをこちらのサイトを参考にまったく同じも
使ってみて、次回もし再度ロケットストーブを作るときは、100mmの煙突ではなく、120mmの煙突で燃焼室とヒートライザー部を作ろうと思うのですが、その場合ヒートライザーで引きに必要な上昇力が得られるかが心配です。ただし、煙突部分は106mmで考えています。
そこで燃焼室とヒートライザーを100mmから120mmに広げ
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燃焼室とヒートライザーを径120mm、室内外煙突部を径106mmで構成した場合、径の小さい煙突部における煙が流れる際に発生する抵抗が大きくなる可能性があります。
このレベルの径の違いであれば、すぐにどうこうという程度ではないと思いますが、煙突内部の排気が滞りやすく(ススが付きやすく)なるため、煙突掃除の回数を増やす必要が出てきたりするかもしれません。
この構成でロケットストーブを運用し始めた場合、このブログで紹介している内容も同じではありますが、定期的に煙突内に溜まるススやタールの量をウォッチしながら、煙突火災を起こさないように、そのリスクを自己管理していくことが大切だと思います。
ヒートライザー部における上昇気流の大きさについては、燃焼室内の温度をしっかりと上げてあげれば、言い換えると径100mmの時より薪を多めに入れて炉内の温度をしっかりとあげることができれば、問題なく機能すると思います。(あくまでも推測ですが・・・。)
燃焼室やヒートライザー部の径を大きくしたいというのは、ロケットストーブで得られる熱を多くしたい(暖房能力を上げたい)ということだと思います。
私個人の考えとしては、燃焼室やヒートライザー部を大きくしたい(暖房能力を上げたい)のであれば、煙突部も同等の径のものを採用し、室内側の熱交換部の煙突長を長めに取りつつも、排気の効率を落とさないようにしていった方がトラブルも少なくて済みそうだなぁと感じます。
これはあくまでも推測の範囲ですので、実際に実験をしてみたりして、予算や運用面、そしてリスクなどを総合的に判断して運用してみてはいかがでしょうか?
どうしたら安く部品類を購入できるのか教えてもらえないでしょうか?
ロケットストーブの材料に使っている部品は、すべて近所にあるホームセンター(カーマ、コメリ、ビバホーム、カインズホームなど)で購入しています。
ロケットストーブの材料にカギっていえば、ネットで購入しようとすると、逆に高くついてしまう物が多いと思います。
ホームセンターを探すコツとしては、大工さんや空調設備関係などのプロが材料を購入するために訪れるような比較的規模が大きなホームセンターか、または資材館(プロ向けの資材が売られている場所)を併設しているようなところを探すと、効率よく、かつ安くロケットストーブの材料を探せると思いますよ。
ちなみに、ロケットストーブを作るために必要な材料などは、こちらの記事を参考にしてみてください。
室内の煙突を延長して排熱温度を30度ぐらいにまで下げたいのですがうまく排気されますでしょうか?
煙がうまく排出されるかどうかは、煙突の径を燃焼室の径より20~30%程度大きめにとっておけば問題になってこないと思います。
ただし、排熱温度を下げすぎると煙突内部で冷えて発生する木酢液が室内の煙突の継ぎ目から垂れてきてしまうことの方が問題になるかもしれません。
そのあたりの話については、こちらの記事のポイント3で解説していますので、そちらをご覧ください。
耐火モルタルは1000度でないと固まらないとネットに情報がありましたが、どのように固めたのでしょうか?
昨今では一般市場でも購入出来るようになりましたが、どう施工するかまではまず説明はありませんし、店頭においてあるモルタルは、ほとんどが「ヒートセット=熱が加わる事によって硬化する」モルタルだからです。
おそらく、こちらのサイトで紹介されている記事などを読まれたのだと思います。
先ほどのサイトでも紹介されているように、耐火モルタルは大きく分けて2種類に分かれます。
- 熱を加えることによって固めるヒートセット(熱硬性)
- 常温でも固まるエアセット(気硬性)
で、今回私が使った耐火モルタルは2つ目の常温でも固まるエアセットタイプを使用したので、あえて熱を加えてモルタルを硬化させる必要は有りませんでした。
昔は少なかったようですが、最近ではホームセンターなどでも簡単にエアセットタイプのものを購入することができます。
価格もそこまで高いものではないので、今回紹介した方法でロケットストーブを作る場合は、エアセットタイプの耐火モルタルを選んで使うと良いでしょう。
耐火モルタルがヒートセットかエアセットかを見分ける方法は、パッケージの裏に書かれている説明を見て、「○℃まで加熱して、熱を加えて硬化させる必要があります。」=ヒートセット、「常温で○時間放置して硬化させてください。」=エアセットという判断でOKです。
焚口に長い金網やネットなどを追加して、薪が倒れないようにして、長い薪を利用できないでしょうか?
ロケットストーブは薪をくべる間隔が短いため、そのような工夫をしたいという気持ち、良く分かります。
ですが、焚口に可燃物を連続して配置させるということは、焚口から炎が逆流して室内側に出て来て、火災になる可能性があります。
もし、そのような構造を検討中なのであれば、必ず屋外で実験し、そのようなことが起こらないことを確認した方が良いでしょう。
長い間薪をくべなくても良いことが必須条件なのであれば、ロケットストーブよりも一般的な鋳物の薪ストーブのほうが向いていると思いますよ。
室内に設置している煙突を黒く耐熱塗装すると放射熱が増すのですか?
その通りです。
その理由は、放射熱(輻射熱)の量を計算する式を見ればわかります。
q/A=σ(T1^4-T2^4)
上の図の式の左辺は、単位面積当たりの放射熱量を表しています。
左辺の値(放射熱量)を大きくするためには、右辺のσ(放射率)、またはT1(煙突表面温度)を大きくするか、もしくはT2(室内温度)を低くする必要があります。
一番分かりやすいのは、T1の煙突表面温度を高くすれば、それだけ輻射熱が大きくなるということ。
これはイメージがしやすいですね。
T2の室内温度は、私達がコントロールするものではありませんから、ここでは検討外です。
そして、残ったっている放射係数は、色というよりも、その材質や表面の状態によって変化します。
具体的な放射係数の値は、こちらの記事が参考になります。
■よくあるご質問 各物質の放射率について
http://www.infrared.avio.co.jp/jp/support/thermo/faq/radiation.html
輻射熱を得ることを目的とした耐熱塗料は、この放射率を大きくする事を目的とした製品なので、このような理由から耐熱塗装すると、輻射熱が効率よく得られます。
屋外の煙突には、あらかじめ液ダレ用の穴を空けておくのでしょうか?
ロケットストーブを室内暖房として使用する場合、一般的な薪ストーブより排気温度が低くなる(30~70℃程度)傾向にあります。
良く乾燥した薪を使用したとしても、薪には多少の水分が含まれており、その水分が燃焼後の排気ガスに存在しています。
一般的な薪ストーブのように断熱二重煙突などを使って高温のまま屋外に排気した場合、その排気ガスに水分が含まれたまま屋外の空気中に放出されますが、ロケットストーブの場合、室内に熱を放出した低温の排気ガスが更に屋外の冷えた煙突内の壁で結露する場合があります。
このブログで紹介した方法では、とくにあえて穴などを空けておかなくても、屋外のL曲がり部からこの凝縮液(一般的に木搾液と呼ばれるもの)が落ちてきますので、それをバケツなどで受け止めているだけです。
ポイントとしては、凝縮液が室内側に流れ込まないように、少し屋外側に向かって下り傾斜(写真右側が下がるように)をつけると良いでしょう。
一般的な薪ストーブのように真上にまっすぐ煙突を設置し、屋根を貫通して屋外に排気する構造にしてしまうと、この凝縮液が煙突内部で溜まってしまい、煙突掃除が大変になりますので、注意が必要です。
室内側の煙突を足元などに横引きできないでしょうか?
室内側の煙突を長くするメリットは、燃焼後のガスに含まれている熱を室内に放出できる点です。
ですが、そのデメリットとして、排気ガスが低温になってしまうため凝縮液が煙突の継ぎ目から垂れてきたり、また屋外の煙突が高い(2Fの屋根より上)場合、少し煙が屋内に漏れてきてしまうといった点があげられます。
その液ダレ回避するためには、下の写真のように、ステンレス製の煙突ではなく、土などでベンチを作り、その中を燃焼ガスを通してしまい、木搾液の排出口を別途設けておく方法がベストだと思います。
ベンチタイプのロケットストーブであれば、煙突の継ぎ目などもないため、室内に煙が漏れ出すことはほとんどないでしょう。
ただし、このようなロケットストーブは排気ガスの温度が極端に低くなるため、屋外の煙突を高くしなくても良い環境(山の中や極端な田舎で周りに民家が少なく、煙が低いところを流れてもOK)な場合に限られます。
もし、ある程度の都会で2Fの屋根の上ぐらいから排煙するような形でロケットストーブを活用する場合は、室内出口の排気温度(煙突表面温度)を約70~90℃程度に保ち、屋外の煙突を煙がその浮力を利用して上がっていくだけの余力を残しておくと良いでしょう。
ロケットストーブを室内に設置する際に床や壁に施した断熱の工夫は?
床や壁に施した断熱の工夫については、以下の記事に詳しく記載しておきましたので、そちらをご覧ください。
>>https://rocket-stove.info/shitunai-setti/
ロケットストーブの燃焼室に使っている耐火モルタルとパーライトの混合比を教えてください。
耐火モルタルとパーライトの混合比については、こちらの記事に詳細を追加いたしましたのでご覧ください。
>>https://rocket-stove.info/zisaku-makistove-taikyuusei/3/
なお、この記事で紹介している混合比はあまでも参考値とさせていただきます。
必ず、ご自身の手で燃焼テストなどをしていただき、その強度と耐久性、着火性、安全性など確認していたださい。
室内熱交換部分に車のラジエーターを付けて小さなポンプ(熱帯魚用)で水を循環させて温水をつくろうと思っているんですが、水で室内熱交換部分を冷やしても性能に影響はないものでしょうか?
ロケットストーブを熱源として温水を作る場合、排煙の抵抗にならないような場所(例えば、ロケットストーブ本体や室内熱交換部など)に銅管などを巻きつけ、そこに水を循環させれば温水を作り出すことは可能だと思います。
実際に、傍嶋飛龍さんのブログでは、ロケットストーブで温水を作り出すことに成功されているようなので、そちらを参考にしてみてはいかがでしょうか?
出典)ロケットストーブ その32 更なる進化ロケットストーブ温水システム実験2|hiryu sobajima blog 傍嶋飛龍のブログ
ただし、質問の内容にあったような燃焼後のガスが流れる煙突内部に車のラジエターのようなものを割り込ました場合、煤がラジエターの網目に入り込んで煙道を塞ぎ、排煙の抵抗になってしまうことが想定されますし、それ以前にラジエター自体の耐熱性、耐久性にも大きな課題があると感じます。
また、ロケットストーブ自体は発熱量の大きさをコントロールすることが難しいので、水槽のような少ない量の水の温度を一定に保つためには、水槽の温度に合わせて温水ポンプの動作を制御させたりするような仕組みも必要になります。
それらの課題を解決すれば可能だとは思いますが、そこまでして複雑な課題を解決していくのであれば、手っ取り早く普通にサーモスタット付きのヒーターを使ったほうが、課題解決のための負荷的にも、また製作も含めたライフサイクルコスト的にも安いのではないかと、個人的には思います。
ご参考まで。
ロケットストーブの販売普及を目指しているのですが、共同開発をしませんか?
ロケットストーブマニアでは、製品化に向けた開発や既存の製品の販売、設置などを行う予定はありません。
その理由は二つあります。
一つ目は、ロケットストーブの良さはその安さ(初期費用、ランニングコスト)にあると考えており、製品化により初期費用が大幅に高くなる可能性があり、私が感じているロケットストーブの魅力が半減してしまうから。
もう一つは、個人的な理由ですが、私にはもっとやりたいことや取り組むべきことが沢山あるので、ロケットストーブだけに時間をさきたくないから。
ロケットストーブのことをこのようなブログという形でお伝えしているのもそのためです。
もし、ロケットストーブを製品化したいのであれば、私のような素人ではなく、すでにロケットストーブの製品化に成功している人をたずねてみてください。
そうすれば、このサイトでは紹介していない製品品質の確保や安全性(耐火、耐震など)、消防法や製造物責任法といった法規関係、そして販売実績や最終利益などなど、ロケットストーブの製品化に対する具体的な事柄について知ることが出来ると思いますよ。
すでに製品化されているロケットストーブの一覧はこちら。