ペール缶ロケットストーブの作り方と使い勝手を徹底検証

ロケットストーブといえば、ペール缶とステンレス煙突を組合せたものをイメージする人が多いと思います。

実際、私も室内暖房用のロケットストーブを作る前、このペール缶ロケットストーブでいろいろと実験していたという経験があります。

ペール缶ロケットストーブは、シンプルな構造にも関わらず、簡単に着火でき、安定した炎と無色透明の排煙を得ることができるのが特徴です。

今回は、ロケットストーブ入門にぴったりな、ペール缶ロケットストーブの組み立て方から、その使い勝手まで、詳しくお話していきます。

組み立てに必要な材料

まず、ペール缶ロケットストーブの組み立て方についてお話していきます。

材料は、ペール缶2個と、ステンレス直管煙突(Φ106、約1000円、写真は半分にカットしてある)、エビ曲(Φ106、約1000円)、T曲(Φ106、約1300円)です。

私がロケットストーブを作り始めた3~4年前は、その辺のガソリンスタンドに行けばペール缶をタダでもらうことができましたが、最近ではなかなか譲ってくれなくなってしまいました。

ペール缶は新品を購入すると結構高い(約1500円/個)ですし、最近ではこれらの材料をセットにして、かつペール缶の穴あけまでした状態でネット販売(約6000円)してくれている人も出てきました。

そこで今回は、Amazonで販売されていたセット品を購入し、それを組み立てていくことにしました。

ただ、このセット品は断熱材の役割を果たすパーライトやくん炭などは同梱されていないものだったので、近くのホームセンターで50Lのくん炭(約1000円)を購入しておきました。

具体的な組み立て方

ここからは、ロケットストーブの具体的な組み立て方についてお話していきます。

まず、ペール缶の穴にステンレス煙突のT曲(Φ106)を挿入します。

次に、ステンレス煙突のエルボ曲(Φ106)を、ペール缶の中でT曲と接続します。

そして、ステンレス煙突直管(Φ106)を、エルボ曲に差し込みます。

ここで、先ほどお話した断熱材の役割を果たすくん炭をペール缶の内側に入れていきます。

ペール缶の中にくん炭を敷き詰めることができたら、もう一つあるペール缶を上から被せていきます。

あとは、ペール缶の小さい穴からくん炭を投入していくだけです。

このロケットストーブ制作で一番大変なのがこの工程で、約15~20分ぐらいずっとくん炭を入れ続けて、ようやくペール缶の中が満たされました。

ペール缶の周りはくん炭まみれになってしまいました・・・。

ちなみに、今回は50Lのくん炭を用意しましたが、袋の中には5L分ぐらい残っていましたので、ざっくり45Lぐらいの断熱材(くん炭やパーライトなど)が必要となることを知っておきましょう。

お疲れさまでした。

これで、ペール缶ロケットストーブの組み立ては完了です。

着火方法

ここからは、先程組み立たロケットストーブの火入れについてお話していきます。

ロケットストーブの着火は、焚口にダンボールの切れ端とホームセンターで買ってきた木材の端材を投入し、ライターで火をつけるだけです。

着火から30秒もすると、ゴォーという音を立てながら炎が焚口の奥側に吸い込まれ始めます。

1分もすればダンボールは燃え尽きますので、後は木材を投入していくだけで、燃焼を継続することができます。

着火から1分もすれば、燃焼筒の中で炎が渦巻きながら勢い良く燃焼し始め、煙も無色透明になります。

この辺りは、さすがペール缶ロケットストーブという感じで、他のレンガロケットストーブなどは煙が無色透明になるまで結構な時間がかかったのと比べて、このロケットストーブは着火直後からすぐに煙が無色透明で燃焼がとても安定してるなぁと思いました。

燃焼中に色々調べてわかったことといえば、ペール缶ロケットストーブの焚口はステンレス煙突のT曲が真っ赤になるほど高温になりますが、ペール缶部はそれほど高温にならない(100度以下)ということ。

火傷の危険がないとはいえませんが、一般的な薪ストーブは本体温度が数百℃になるのと比べると本体温度は低いといえるでしょう。

ただし、本体温度が低いため、ロケットストーブの近くにいても暖かさが感じられず、屋外暖房としては使えないなぁという印象です。

ペール缶ロケットストーブの湯沸かし実験

ここからは、このペール缶ロケットストーブを使った湯沸かし実験についてお話していきます。

1Lの水を鍋に入れ、火入れ後のロケットストーブの上にセットし、何分でお湯が沸くのか検証します。

開始から5分後

湯沸かしを始めてから5分が経ちました。

この時点では、まだ湯気が少ししか出てきていない状態です。

開始から10分後

湯沸かし開始から10分が経過しました。

鍋の中で小さな気泡ができ始め、湯気も目に見えるぐらいのレベルになってきました。

開始から15分後

湯沸かし開始から15分が経過したころから、ほぼほぼ沸騰は完了(約90℃ぐらい)になりました。

ただ、そこからしばらく舞ってみたのですが、ブクブクと大きな泡が出るような強い沸騰は得られませんでした。

以前、ひだるまくんで湯沸かし実験をした時は、約6分ほどで強い沸騰まで得られたことと比較すると、「ペール缶ロケットストーブってこんなに火力がないの?」という感じです。

どうしてこんなに火力がないのかなぁと思って、火だるまくんを引っ張り出してきて、もう一度ひだるまくんで水を沸騰させてみましたが、こちらはやはり5~6分ほどでブクブクと水を沸騰させることができました。

どうしてこんなにも湯沸かしにかかる時間が違うのか色々と調べてみたところ、ペール缶ロケットストーブは煙突上部で炎がチラチラ出るぐらいなのに対して、ひだるまくんは煙突上部で常に炎が出ているということに気が付きました。

湯沸かしに関しては、鍋の底の温度が高い(炎が直接鍋の底に当たる)方が良いため、ペール缶ロケットストーブより、高さの低いひだるまくんの方が能力が高いという結果になりました。

ただ、ひだるまくんは鍋をセットすると多少黒っぽい煙が出たりしていましたが、ペール缶ロケットストーブは常に無色透明の煙という感じで、燃焼そのものについては、ペール缶ロケットストーブの方が良さそうだということは明らかです。

ちなみに、ひだるまくんは燃焼を継続できる時間が1~2時間程度(灰が詰まってしまうため)なのに対し、ペール缶ロケットストーブは約1日程度はずっと火を炊き続けることができます。

ですので、ペール缶ロケットストーブは炊き出し(災害時)など、大きな鍋で調理するような長時間炎を維持する必要がある時に活躍するものなのだろうということがわかりました。

また、ペール缶ロケットストーブは燃焼状態が良く、排気力も強いため、ヒートライザーを抜けた後の熱を煙突や土で作ったベンチなどで暖房用の熱として利用するという用途にもうまく使えそうです。

ただ、焚口や燃焼室、ヒートライザー部がステンレス煙突で構成されているため、その辺りをどう改良していくかが課題でしょう。

最後に一言

今回は、ペール缶ロケットストーブの作り方と使い勝手を徹底検証についてお話しました。

このロケットストーブは、誰が作ってもゴーッと音を立たせて木を勢い良く燃やせるという点において、初心者におすすめの薪ストーブだと思います。

これからロケットストーブについて学んでいきたいという人は、これを作って勉強してみるといいでしょう。

ただ、キャンプでの調理やちょっとした湯沸かしであれば、ひだるまくんといった背の低いタイプのロケットストーブのほうが素早く調理できたりします。

こんな感じで薪ストーブの体験といろいろな気づきや考えるきっかけを与えてくれるのがペール缶ロケットストーブだと思います。

是非一度体験してみてくださいね。

それでは!

2019年6月20日自作・作り方

Posted by ロケットストーブマニア