DIYロケットストーブを室内に設置する具体的な方法

室内設置の早送り動画

まずはじめに、実際にロケットストーブ本体を室内に取り付けている様子を64倍速で編集した動画をご覧ください。

この動画を見れば、ざっくりとしたイメージを掴んでもらえると思います。

室内暖房として使えるDIYロケットストーブの設置

いかがでしたでしょうか?

この動画を見ていただければ、なんとなくロケットストーブを室内に設置していく全体的な手順がわかっていただけたと思います。

ロケットストーブ本体を室内へ移動

室内へロケットストーブ本体を移動

まずはじめに、室外で燃焼テストを終えたロケットストーブ本体を室内に移動させます。

>>シンプルな室内暖房用のDIYロケットストーブ本体の具体的な作り方

キャスターを使って移動させるのですが、これが相当重い(汗)

たぶん50kgぐらいはあるんじゃないでしょうか?

一人では作業できないので、誰かに手伝ってもらいながらやったほうが安全です。

また、今回は段差の小さなルートで移動させましたが、もし大きな段差がある場合は力自慢の人に手伝ってもらったほうがいいでしょう。

ちなみに、ロケットストーブ本体の下には御影石の板(コンクリート板などでも可)を敷き、更に小さなコンクリートブロック(高さ50mmぐらい)で本体と御影石の間に隙間を持たせるようにしています。

ロケットストーブの本体の下にコンクリートブロックと御影石

だいたい、ロケットストーブ本体のU字溝は燃焼が安定してくると、燃焼室周り(下段U字溝の前半分)の外表面温度が100~120℃ぐらいにまで上がりますが、このように本体と御影石の間に隙間を持たせることで、御影石の温度を約45℃程度に抑えることが出来ます。

ロケットストーブ本体と壁との距離を離す

ロケットストーブの後方も同じように、壁との隙間を開けておきます。

垂直部のU字溝の燃焼時の温度は70~80℃とそれほど熱くなっていないのですが、本体直後煙突部では150℃程度にまで温度が上がり、その時の壁面温度は約40℃です。

法律上、煙突と壁との距離は150mm以上の隙間を確保する決まりになっているため、その隙間を確保して設置するようにしてください。

薪ストーブ設置に関する法律の参考資料はこちら。

>>薪ストーブの関連法令とは? |オフセット・クレジット(J-VER)制度

>>住宅における薪ストーブ等設置に関するチェックリスト|石川県能美市HP

ただし、壁面温度が低いことがわかっていても、壁材の低温炭化による火災が少しでも気になるようでしたら、必ず炉壁を取り付けるようにしてください。

低温炭化や炉壁に関する情報は、こちらのサイトなどを参考にすると良いでしょう。

>>低温炭化を防ぐ|星ヶ見悠遊倶楽部

>>低温発火とは|消防庁消防大学校消防研究センターについて

「心配に思う」=「発生する可能性が高い」と考え、コストよりも安全面を重視してください。

煙突の壁出し穴を空ける

ロケットストーブの煙突の壁出し位置を決定

続いて、ロケットストーブの煙突の壁出し位置を決めていきます。

煙突の壁出しで使用する金属プレート

煙突の壁出しには、このような中央に穴の開いた金属プレートとその内部には眼鏡石を設置するのですが、その寸法は約30cm程度。

適当に角穴を空けはじめると、壁の中から間柱が出てきた・・・なんてことになりかねないので、間柱探しで間柱のない場所をあらかじめ調べておきましょうね。

下地探しで間柱を探す

壁出し穴の位置が決まれば、ドリルやノコギリなどを使って壁に穴を空けていきましょう。

ロケットストーブを壁出しするために室内側から穴を空ける

ロケットストーブを壁出しするために室外側から穴を空ける

ロケットストーブの設置の作業の中で一番大変だったのがこの壁の穴あけ。

途中で心が折れそうになりますが、一息入れながらゆったりと作業を進めましょう。

ロケットストーブを壁出しするための穴が開きました

壁に穴があいたら、今度はそこにはめ込む木枠を作っていきます。

眼鏡石と壁に明けた穴の寸法に合わせて、ちゃちゃっちゃと作ってしまってくださいね。

壁出し部の煙突の組み付け

ロケットストーブの壁出し部に煙突を組み付ける

壁に穴があいたら、木枠と金属カバー、メガネ石を設置し、そこに煙突を通します。

ロケットストーブの壁出し部はコーキングで隙間を塞ぐ

金属カバーなどの隙間は、コーキングで埋めておき、雨水などの進入を防ぎましょう。

屋外の煙突の組み立て

コーキングが終わったら、屋外にも煙突を設置していきます。

ロケットストーブの煙突の組み立て

通常、薪ストーブの煙突は専用の固定金具を使って家の屋根の上まで煙突を立ち上げますが、今回紹介しているロケットストーブの場合、ヒートライザーの排気効果が大きいため、煙突を高く立ち上げる必要はありません。

実際に、室内に設置後の燃焼試験の段階では、煙突を立ち上げなくても十分に上手く燃焼していました。

ただ、ロケットストーブは着火や鎮火時にたくさん出る煙が出てくるため、その煙やにおいで近所迷惑になる可能性が出てきました。

着火時にどれぐらい煙が出るかは、こちらの動画を見ると良く分かると思います。

室内暖房ロケットストーブの低い煙突の煙の様子

結局、煙が地面を這ったりして近所迷惑になってしまうことを避けるため、ロケットストーブの煙突を2Fの屋根の上まで立ち上げることにしました。

その具体的な作業内容については、こちらの記事にまとめてあります。

>>室内の暖房に使えるロケットストーブの煙突の設置

安全柵の設置

ロケットストーブの柵の組み立て

最後にロケットストーブ本体の周りに金枠を設置し、子供達がロケットストーブに触れないようにしました。

これで室内暖房用のロケットストーブの設置は完了です。

室内暖房用のロケットストーブの設置後

最後に一言

今回は、室内暖房にも使えるロケットストーブを室内に設置する方法についてお話しました。

一人で作業(応援はあり)して丸一日かかりましたが、いや~、大変で楽しかったです(笑)

どうも私は大変なことを好む傾向があるみたいですね。

これでエアコンや石油ストーブを卒業して、憧れの薪ストーブで暖房をする事ができます。

実際に火を入れて使ってみると、じんわりあったかい・・・

エアコンや石油ストーブだと室温を23℃にして長袖を着ないと寒いのですが、このロケットストーブなら20℃でも半袖で過ごせます。

なぜかというと、エアコンや石油ストーブは体の周りにある空気を暖めることで体からの放熱を防ぐことで暖かく感じられるのですが、ロケットストーブから発せられる放射熱(空気を伝わらずに体を直接温める熱)は直接体を温めてくれるからです。

すばらしいの一言です!!

さらに、このロケットストーブなら鋳物の薪ストーブのように沢山の薪を使わずに弱火運転ができるため、薪の消費量が少なくて済みます。

おそらく、一般的な薪ストーブの1/3~1/4の燃費です。

極寒の地域(冬場の日中気温が0度以下など)で無く、最近の断熱気密が整った家なら、このロケットストーブだけで全館暖房も可能。

しかも、ロケットストーブは安定した燃焼をしている時は煙がほとんど出ないため、近所迷惑にもなりにくいのが特徴。

ぜひ一度あなたもロケットストーブに挑戦してみてくださいね。

それでは!



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