薪ストーブとロケットストーブの構造や設計思想の3つの違い

2.熱の伝熱形態に対する考え方の違い

3つ目は、薪ストーブとロケットストーブの熱の伝え方の違いについてお話していきます。

薪ストーブの熱の伝熱形態

薪ストーブは、主に薪ストーブ本体や煙突から発せられる輻射熱によって、直接体を温める伝熱形態をとります。

薪ストーブから発せられる輻射熱で体を温める

出典)暖房システム|薪ストーブならダッチウエストジャパン

だから、薪ストーブを設置した部屋は温度が低くても、薪ストーブの近くにいると太陽に照らされたような、ぽかぽかした暖かさを感じることが出来ます。

もちろん、ストーブ本体や煙突は高温になっているため、それらが空気を暖める役割も果たしていますが、その割合が小さいのが薪ストーブの特徴です。

輻射熱によって暖房するメリットは、その抜群のなんともいえない気持ちよい暖かさと、空気や家全体を暖めなくても体が温かくなるため、その点において燃料を消費しなくて済むという点です。

デメリットは、薪ストーブが置かれている部屋にいる時は輻射熱で暖かさを感じることが出来ますが、壁をはさんだ反対側の部屋には輻射熱が到達しないため、全館暖房には向いていないという点。

このことから、相当な広さのある部屋の暖房や、大きな一つの部屋だけで構成されている仕切り壁の少ない家などの暖房に適している器具であるといえます。

薪ストーブの輻射熱のいい所

出典)輻射式の暖房|一級建築士事務所 丹羽明人アトリエ

ロケットストーブの熱の伝熱形態

ロケットストーブの伝熱形態は、比較的幅が広く、本体や煙突から発せられる輻射熱とともに、燃焼後の空気がが低温になるまで室内に熱を伝えきることも出来ます。

その理由は、先ほどの排気のところで説明したとおり、ロケットストーブ本体のヒートライザー部ですでに強力な排気力を生み出しているため、そこから先の煙突を相当長く、また曲がりくねった形にしても良いという点にあります。

ベンチタイプのロケットストーブ

出典)rocket mass heater

このように、ロケットストーブの延長した煙突をベンチシートの中に配置した場合、屋外に排出される煙の温度は30℃程度になっていることもあり、100~200℃という高温のままで屋外に排気をしなければならない薪ストーブより、少ない薪でも沢山の熱を取り出すことが出来るため、暖房で使用する薪の消費量が少ないというのがロケットストーブの特徴です。

また、私が作ったロケットストーブのように、ロケットストーブの上部に取り付けた煙突にファンで風を当てることにより、ファンヒーターのように空気を暖めることもできます。

輻射熱だけではなくファンヒーター機能もプラス

この方式なら壁の多い日本の2×4工法で建てられた量産型の家にも、後付のセントラルヒーティングのベースを賄う暖房器具として、ロケットストーブを活用する事も可能になります。

続いては、ロケットストーブを自作する場合、非常に重要な要素になってくる排煙や煙突の構造に対する薪ストーブとロケットストーブの違いについてお話します。

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