実際の表面温度の測定結果
早速、実際に測定したロケットストーブの表面温度をお見せします。
この温度分布は、5時間以上ロケットストーブに火を入れ続けているときに測定したのですが、一番高い温度を示しているのが、室内側の煙突の部分で約175℃、その次は、燃焼室の上に当たる部分で約160度といった感じです。
普通の鋳物の薪ストーブの場合、本体の表面温度は300~500℃なので、それに比べるとそこそこ表面温度を低く抑えることが出来ています。
ただ、一番温度の高い煙突部分は保育園ぐらいの子供は手が届かないぐらいの高さなのでいいのですが、燃焼室周りでも100℃を超えている場所があるので、このような柵を設けて使うのがいいでしょう。
我が家では、
- 薪ストーブは大人が使うもの
- ストーブではなく、柵にも触らないように
というような感じで子供に伝えています。
そうする事によって、必然的に子供が柵から距離をとって行動するようになるので、これまで火傷になりそうになったこともありません。
私はよく素手で薪をくべたりしているので、少し「アツッ」ってなることがあるのですが、火傷になるほどではありません。
鋳物の薪ストーブのような300~500℃の高温ではないので、そのあたりは比較的安全と言えそうです。
表面温度が低くても暖房できる理由
一般的な薪ストーブは薪ストーブ本体が高温になることで、そこから放射される放射熱によって暖炉が置かれている空間全体を暖房しています。
そのことから考えると、この自作薪ストーブは暖房能力が低そうに見えるのですが、そんなことはありません。
もう一度、先ほどの温度分布を見ていただくとわかるのですが、室内にむき出しになっている煙突の分岐部が約175℃で、排気直前が約53℃ということで、燃焼後のガスが室内に配置された煙突を通過する間に、相当放熱していることが分かります。
薪ストーブに詳しい方なら驚かれるのではないでしょうか?
なぜなら普通の薪ストーブの場合、室外側の煙突の出口まで断熱煙突を使ってドラフトを高めないといけませんし、燃焼室の温度が低いことで発生する未燃焼ガスが煙突内部で凝縮&発火によって煙突火災になる可能性もあるからです。
ただ、ロケットストーブの場合、ドラフトは本体のヒートライザーの強力な排気力で確保できますし、燃焼室がとても小さく高温燃焼しかできないロケットストーブは煙突火災になる可能性もほとんどありません。
※故意に相当に湿った薪(生木など)を多用した場合は、一般的な薪ストーブと同じぐらいにまで燃焼室の温度が下がってしまう事もあります。
このような理由から、鋳物の薪ストーブでは出来なかった室内側の煙突で積極的に放熱させるということができるようになっているため、効率よく燃焼ガスの熱を室内に放出する事ができます。
これがロケットストーブの薪の燃費の良さの理由(一般的な薪ストーブの1/3~1/5)と解釈してもらってもいいでしょう。
最後に一言
今回は、自作薪ストーブの本体表面温度を実際に測定した結果についてお話しました。
薪ストーブの表面温度としては低いほうの部類で、ちょっと触れたぐらいでは火傷にはなりません。
ほぼ実用的に使える合格ラインにあると言えます。
ただ、小さなお子さんがいる場合は、万が一の事故防止のためにも必ず簡易的な柵をつけて使用する事をオススメします。
それでは!