ロケットストーブのデメリット
続いては、ロケットストーブのデメリットについてお話していきます。
作るのに手間がかかる
続いては、DIY薪ストーブのデメリットについてもお話ししていきます。
室内暖房でも活躍できる薪ストーブを自作するには、当然ですが手間と労力がかかります。
私の場合、ロケットストーブの本体部分を組み立てるのに約1日、外で燃焼試験をするために約3日、室内に組み付けるために約1日、そして、室内で効率よく運転させるために、また安全に安定した状態に組み換えるために約1週間かかりました。
それだけの手間がかかることを考えると、薪ストーブが「好き」でない人はやらないほうがいいと思います。
私のようにどれだけ大変でも、どれだけ手間がかかっても、薪ストーブが好きで好きでたまらない場合にだけ、薪ストーブをパーツから組み立てるといったことをやってもいいのかもしれません。
スイッチオンで目標の温度まで暖房・・・とはいかない
薪ストーブはエアコンやファンヒーターなどのようにコンピューターで電子制御するものではありません。
ですから、部屋の温度を自動で一定に保つということはできません。
寒くなってきたら薪ストーブをつけ、薪を入れ続けないといけませんし、暑くなってきても薪が薪ストーブの中に残っていたら、それが燃え尽きるまで部屋を暖め続けます。
もちろん慣れてくれば、そういった面をノウハウや感でコントロールするようになってくるので、初めのころのようにずっとストーブに付っきりというのは徐々になくなってきます。
ですが、スイッチオンで室温一定というエアコンやファンヒーターに慣れてしまっている人の場合、薪をくべたりする作業を手間に感じてしまうと思います。
燃焼室の耐久性に課題有↓↓
ロケットストーブの燃焼室は、ステンレス製の煙突を流用して使っています。
もともと煙突用に設計されているので、鉄板は薄く、500~700度にもなる燃焼温度に耐えられず、1ヶ月程度で燃焼室の壁に穴が開き、断熱材として充填していたパーライトが出てきてしまいました。
燃焼室の周りは、パーライトを充填していて、その外側はU字溝で覆われていますので、少しぐらい穴が開いた程度では、使えなくなるといったものではありません。
なので、燃焼室のパーツ(T曲、1000円弱)を消耗品として考えてもよいのですが、それだとメンテナンスが大変です。
この課題については、ロケットストーブの実用化(メンテナンスフリー)に向けて、今後改善していきたいと思っています。
住宅密集地では煙が近所迷惑に・・・
薪ストーブの宿命、それが巻きストーブを設置する事で近所迷惑になることもあるという点です。
それが煙の問題です。
ロケットストーブは、高温で燃焼するため煙がほとんど出ないことで有名ですが、火を入れた瞬間と、火を消す瞬間はそこそこの煙が出ます。
都会などの住宅が密集した地域だと、煙の臭いや、または煙が出ているだけでもクレームが入る場合もあるようです。
薪ストーブを設置する前に、近所で薪ストーブを使っている人がいないか探し、もし見つけることができたら、その人に薪ストーブの運用について、ノウハウを聞いてみるのがよいでしょう。
もし、近所に薪ストーブの前例がなければ、薪ストーブの導入は注意深く検討したほうがいいと思います。
また、もし導入する事にしたとしても、ロケットストーブの煙突は近所の住宅の屋根よりも高くなるように設置しましょう。
ロケットストーブは、煙突がなくても機能する構造なので、煙突購入費用を削減するために低い煙突にしてしまいがちですが、煙突が低いと、煙が地上を這ってしまいます。
透明に近い煙でも、臭いはしてします。
ですから、できる限り煙突を高くして、地上にまで煙が降りてこないようにしましょう。
鎮火して置き火になる瞬間に室内に煙が逆流する事がある
薪ストーブや暖炉における煙の逆流は、家の中の気圧が家の外より低い場合に起こる現象です。
家の中の気圧が家の外より低いという状況は、窓やドアを締め切った状況で換気扇をつけているようなイメージです。
換気扇によって家の外に空気が排気されると家の中の気圧が低くなり、唯一家の外とつながっている薪ストーブの煙突を通って家の中に空気が流れ込んできます。
最近の家は、台所の換気扇がOFFでも、お風呂やトイレの換気扇は24時間回りっぱなしになっていることが多く、家の中は家の外より気圧が低くなりがちです。
ロケットストーブの中でメラメラと火が付いている場合、ヒートライザーが十分に温まっているため、煙が力強く排気されているのでよいのですが、燃焼室の火が消え置き火になると、ヒートライザーが冷えていき、排気能力がどんどん弱まっていきます。
すると、本来煙突から排気されるべき煙が逆流して室内に入り込んでくる場合があります。
煙が部屋に充満すると、目が痛くなって、咳き込みます。
この現象を回避するためには、ロケットストーブが置かれている部屋の窓をほんの少しだけ開けておけばOK。
薪ストーブに点火する直前から、少しだけ部屋の窓を開ける習慣をつけると良いでしょう。
煙突から垂れる木酢液が周りを汚してしまう
自作したロケットストーブを室内暖房用として使う場合、室外の煙突の継ぎ目などから大量の木酢液が出て、室外の煙突周りを汚します。
木酢液とは、薪が燃焼した後、薪の中に含まれていた水分が冷たい煙突の内面などに当たって冷やされると、結露してできる黒っぽい液体です。
通常、ロケットストーブ煙突を取り付けずに使うため、排気温度が高く、木酢液が結露する前に排気されます。
ですが、室内暖房用としてロケットストーブを使う場合は、煙突を使って室外に排気するため、その過程で排気が冷やされ、木酢液ができてしまという訳です。
我が家では煙突の下にバケツなどを置いて、木酢液が周りに飛び散らないようにしています。
夜間の常時暖房としては使えない
ロケットストーブを運転するためには、だいたい30分毎に薪をくべる必要があります。
なので、いくら夜が寒くても寝ている間は薪をくべることができないので、ロケットストーブは鎮火してしまいます。
鎮火してから1~2時間程度は、暖められたロケットストーブ本体からの放熱で部屋は暖かいのですが、それ以降は暖房器具としては使えません。
では、夜中に頑張って起きて薪をくべつづければ常時暖房として使えるのかというと、そうではありません。
一度やってみたのですが、DIY薪ストーブに夜中薪をくべ続けると、灰が燃焼室内に溜まってしまって、薪が燃えなくなってしまいました。
薪が燃え尽きてから約1~2時間は置き火になっているので、その灰を取り出してからまた徹夜で薪をくべる・・・というのは現実的ではないでしょう(苦笑)
なので、DIY薪ストーブは夜間の常時暖房器具としては使えないと考えておきましょう。
着火に紙類を多用すると煙突に灰が溜まる
ロケットストーブは燃料投入口から煙突の先っぽまで、円筒形の筒でつながっているだけの構造になっていて、燃焼ガス中の灰を取り除く機能は備わっていません。
木などが燃えたカスは燃焼室に溜まって行きますが、着火時に紙類などの軽いものを多用すると、その灰が舞い上がり煙突の曲がりなどに溜まってしまいます。
煙突に溜まった灰は掃除をして取り除くこともできますが、それは面倒なので、着火にガスバーナーを使うか、着火技術を磨いて必要最小限の紙の使用に留めるなどといった工夫をすることが必要です。
灰で部屋が汚れる
ロケットストーブの燃焼室に溜まった灰を掻き出すとき、このような金属のトレーで受け止めています。
できるだけゆっくりと掻き出していますが、それでも少しは灰が舞ってしまいます。
部屋の中を絶対に汚したくないって人は、ロケットストーブを室内に持ち込まないほうが良いでしょう。
家族がロケットストーブを使いこなせない
このロケットストーブは、着火が簡単ですし、薪をくべたりするのも何度かやってみると簡単だということがわかります。
でも、それは薪ストーブを使うことが「好きな」人に限ります。
そもそも、薪をくべるなんて面倒だって場合は、薪ストーブを使うことが相当不便に感じます。
特に、薪ストーブをあまり好きでない人が、育児や家事に追われる朝の時間帯に、薪ストーブの様子を気にしながら、食事を作ったり、洗濯したり、子供の世話をしたりなんて出来ません。
なので、私がいない時はエアコンや石油ファンヒーターなども動かせる状態にしてあります。
無理をして相手に自分の趣味を押し付けるのは、あまりよくないですからね(苦笑)
最後に一言
今回は、自作薪ストーブ(ロケットストーブ)のメリットとデメリットのまとめについてお話しました。
薪ストーブは自作すれば、5万円以下で設置可能ですし、とにかく暖かい。
その反面、様々なデメリットもあり、それをなんとか改善して使いこなしていかなければなりません。
ですが、それもまた楽しい(笑)
手間暇をおしまない人で、家族もそれを受け入れてくれるのであれば、せひあなたも自作薪ストーブに挑戦してみてほしいと思います。
それでは!