着火は窓を開けてからダンボール&割り竹で
まずはロケットストーブの着火の雰囲気を掴んでもらうため、この動画をご覧ください。
基本的にロケットストーブへの着火はダンボールや割り竹等を使って、2段階に分けて行います。
【STEP1】ダンボールに火をつけ燃焼室の排気管側に投入
最初に行うことは、ダンボールに火をつけ、燃焼室の排気管側に投入します。
次に火箸などで燃えているダンボールを排気管の中に押し込みましょう。
そうする事によって、排気管やヒートライザーが暖められ、燃焼室から空気が吸い込まれるような流れができます。
【STEP2】割り竹を入れて再び着火
ロケットストーブ内部に空気の流れを作ったら、割り竹を投入口に入れます。
そして、火のついたダンボールを入れると、竹が勢い良く燃え始めます。
はじめに空気の流れができているので、燃焼室から排気管に向かって炎が流れていれば、ロケットストーブの着火は完了です。
このあと10分程度は乾いた木を中心に燃焼させ、ロケットストーブの暖気をしてくださいね。
ロケットストーブ着火の注意
ロケットストーブを着火させる時は、必ず室内外の気圧を等しくしてから行ってください。
具体的には、ロケットストーブが置いてある部屋の窓を大きく開け、さらに換気扇などの排気装置を停止させればOKです。
それを忘れたまま着火させようとすると、空気が煙突から燃焼室方向に逆流する事があり、室内が煙だらけになってしまいます(汗)
高気密断熱住宅の場合は外気導入ダクトを追加
昔ながらの木造住宅ではなく、最近ハウスメーカーを使って建てた家の場合、気密性能が高いものが多くなっています。
ロケットストーブは大量の空気を燃焼室から吸い込み、室外に排気しながら木材を燃焼させることで安定して燃焼するわけですが、気密性能が高い住宅ではロケットストーブがうまく空気を取り込めないことがあります。
そんな時は外気導入ダクトを設置してください。
外気導入ダクトを使って外気をロケットストーブの設置している部屋に送り込むことで、ロケットストーブにうまく空気を流せるようになります。
ポイントは、外気導入ダクトの空気抵抗を減らすため、煙突の径より太いダクトを使うこと。
十分な空気をロケットストーブに送り込むために、外気導入ダクトの空気抵抗はなるべく減らしましょう。
薪に暖炉周りの暖かい空気を送り込んで強制的に乾かす
薪をうまく安定して燃焼させるためには、薪自体に含まれる水分量を極限まで減らす必要があります。
室外の薪置き場では、雨避けの屋根を設置していたとしても夜露に濡れたりして、薪を完全に乾かすことができません。
そこで、室内に薪を持ち込んでからロケットストーブに投入するまでの間も、最後の最後まで薪を乾かしておきましょう。
我が家では、空気清浄機とアルミダクトを使って暖炉の周りの温まって乾燥した空気を薪置きに送り込んで、薪を乾燥させるようにしています。
数時間の室内乾燥でも、冬の室内の湿度はとても低いので外で乾ききらなかった分の水分を飛ばすことができますよ。
長くて太さの違う薪や流木を同時に燃やす
ロケットストーブは高い温度で勢い良く薪を燃焼させることが可能です。
ただ、室内で暖房として活用する場合、それがデメリットにもなります。
例えば、短かくて細い薪ばかり使ってしまうと、どんどん薪が燃え尽きてなくなってしまうため、ずっとロケットストーブの前で火の番をしなくてはならなくなります。
また、燃えやすい薪ばかり使っているときも同様に、ずっとロケットストーブの前にいなくてはなりません。
ある程度安定して長い間燃焼させるようにするためには、種類の違う長めの薪や流木を一度に燃やしましょう。
いろんな種類を混ぜて燃やすことで燃えつきにくいものがじっくり燃えてくれます。
また、長めの燃えやすいものを混ぜることで、先端部分が燃えるたびに燃焼室に自分で入っていき、燃焼を維持させてくれます。
どうしても乾かなかった薪は乾燥室兼燃焼室へ
薪ストーブでもロケットストーブでも湿った薪や流木を安定して燃やすことは難しいとされています。
ただ、今回紹介しているDIYロケットストーブの場合は燃焼室が二つついており、そのうちの一方(排気側の黒い筒)の燃焼室に湿った薪や流木を投入する事で、それを乾燥させながらそれ自体の温度を上げ、じわじわと燃焼させていくことができます。
その間、反対側の燃焼室では普段どおり燃焼を維持させことは必要なので、もう少し火力がほしいなぁという場合に活用するとよいでしょう。
湿った薪や流木でも面白いぐらいに燃やすことができます。
ただし、湿った薪を燃やす場合は、室外の煙突の継ぎ目などからたくさんの木搾液がでてきますから、外壁や地面が汚れないように注意してください。
※現在はこの燃焼室のところに石釜を増設したため、この機能は使うことができなくなっています。
【注意】
ロケットストーブを作り始めた当初はこのような構造で湿った薪を無理やり燃やすような使用していましたが、湿った薪を無理やり燃やしてしまうと、燃焼温度が下がり、煙突火災を発生させる原因を作ってしまいます。
>>薪ストーブのデメリットだった煙突火災を防ぐための5つのポイント
このような使い方はしないようにしてくださいね。
薪の投入口付近まで断熱を施す
薪に火がつくには、薪が加熱され、着火温度まで暖められている必要があります。
燃焼室の中央部に至る前までに薪が効率よく温められるように、燃焼室の投入口付近まで断熱を施しましょう。
薪の投入口の断熱は思っている以上に効果があるので、いまいち安定した燃焼ができていない人は、このあたりを見直してみるといいと思いますよ。
空気の吸い込み口は2箇所からゆっくりと
ロケットストーブで安定した燃焼を維持するためには、燃焼室内を高温に保つ必要があります。
以前までは薪と空気を大量に送り込んで、そこで得られた大きな熱を使って燃焼室内の温度を上げていましたが、その方法だと炉内の温度が上がりすぎてしまうことがあり、それが何度も繰り返されると、燃焼室の鉄板がボロボロになってしまいました。
燃焼室の改良とともに、燃焼室が高温になり過ぎないように安定して高めの温度を保つ燃焼方法を探した結果、以下のような方法を見つけました。
- 薪の周りにまんべんなく酸素がいきわたるように、空気の吸入は上と下の2箇所から同時に行う
- 燃焼室内の熱をなるべく出さないように、吸入口から燃焼室に流入させる空気の量を出来る限り減らす
実際に燃焼させているときの吸入口の開き具合は、この程度です。
下側の空気吸入口
上側の空気吸入口
ご覧のように、吸入口はほんの少しだけ隙間を空けている程度ですが、これでも十分に燃焼室内の炎は維持されます。
最後に一言
今回は、ロケットストーブを室内暖房でうまく燃焼させる7つのポイントについてお話しました。
屋外での燃焼とは違って、室内という特殊な空間の中でロケットストーブを活用するのは少しコツがいります。
今回紹介した内容は、何度も何度も燃焼テストを重ねた結果、得られた経験的な答えです。
この情報を基本として、ケースバイケースで状況に合わせながらあなたなりの最高の方法を見つけていってくださいね。
それでは!